連結業績データ 営業収益は、連結売上の約70%を占めるパーソナルセグ
メントにおいて、スマートフォン契約比率の上昇とauスマート バリュー効果等による順調なau契約数の増加により、モバイ ル通信料収入の減少トレンドが緩和したことに加え、同じくau スマートバリューによる大幅なFTTH契約純増効果により固定 通信料収入も増加し、モバイルと固定通信を合わせた通信料 収入全体が増収転換したことなどから、2期連続の増収となり ました。「auスマートバリュー」 P.38
一方、コスト面においては、800MHz帯の周波数再編が 2012年7月に終了したことによる関連費用の大幅な減少も あり、連結営業利益は前期比7.3%の増益となりました。
スマートフォン契約比率の上昇を受け、長らく減少傾向が続 いていたau通信ARPUも月次ベースで2月に底打ちしたと見 ています。今期の課題として期初に掲げた「連結営業利益 5,000億円」と「月次ベースでのau通信ARPU底打ち」の両方 を実現することができ、今後の利益成長に向けた「成長起点の 1年」となりました。
THEME 01
マネジメントメッセージ
KDDI のサービスイノベーションに
終わりはありません。
新たなステージでも、期待を超え続けます。
KDDIの特長を最大限に活かした「3M戦略」が始動して1年、順調に成果が出始めています。 私共は、2014年3月期を起点とする中期計画の軸に据えた「3M戦略の推進・深化」と
「グローバル戦略の推進」を通じ、持続的な利益成長と株主還元強化の両立を目指します。 また、社員一人ひとりが社会インフラサービスの担い手としての自覚を持ち、一丸となっ て、事業を通じた社会課題の解決と発展に貢献する企業を目指します。
KDDI株式会社 代表取締役社長
田中 孝司
2013
年3
月期の業績評価2013 年 3 月期の当社連結業績は
2 期連続の増収増益となりました。
2012年3月期 2013年3月期 前期比
営業収益 35,721 36,623 +902 (+2.5%) 営業利益 4,776 5,127 +350 (+7.3%)
(億円)
月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 –50
0 50 100 150 200
MNP純増数の推移とKDDIの取り組み
社長就任
2
年を振り返って3M 戦略の成功を確信しました。
私が社長に就任した2010年12月を振り返りますと、営業 利益の大半を担うモバイルにおいて、スマートフォン対応へ の遅れ等から、MNPでは他社への転出超過が続き、データ ARPUの伸びでも他社に遅れをとるなど、モメンタムが低下し ている状況でした。
私は、就任1年目の課題として「基盤事業の立て直し」「新たな 時代に向けた準備」という2つの目標を掲げ注力してきました。 「基盤事業の立て直し」については、スマートフォンへのシフト を加速することから始めました。AndroidTMスマートフォンの 拡充に加え、2011年10月にはau初となるiPhone「iPhone4S」 を発売するなど、2011年3月期に6機種であったスマート フォンラインナップを、2012年3月期は一気に25機種まで 拡大し、業界随一の充実したラインナップを揃えました。 これにより、2011年9月にはMNPが純減から純増へと転 換するとともに、解約率も業界最低水準となるなど、auのモ メンタムが回復していきました。
基盤事業の立て直しに続き、2012年1月には、新たな時代 に向けた成長戦略である「3M戦略」を発表、3月には具現化 したサービスとなる「auスマートバリュー」「auスマートパス」
の提供を開始しました。両サービスともに社内計画を上回る 順調なスタートとなり、「基盤事業の立て直し」「新たな時代 に向けた準備」という1年目の課題は概ね達成できました。
「auスマートパス」 P.40
就任2年目は、「成長起点の年」と位置付け、3M戦略の本格 展開に注力しました。スマートフォンの販売はフィーチャー フォンに比べて店頭での説明内容も多く、接客時間を多く要し ますから、「auスマートバリュー」「auスマートパス」の拡販にあ たっては、販売スタッフの教育や販売スキームの見直しを徹底 するなどの改善を図ったほか、サービスの認知度向上に向け た取り組みを進めてきました。その結果、auスマートバリュー を契機に多くの新規契約獲得に成功、値下げ影響を上回り初 年度から増収貢献するなど、業績面において当戦略の成功を 確信することができました。
「販売スタッフの教育・販売スキームの見直し」 P.24
私が社長に就任し
THEME 02
■ 2010年12月
社長就任
■ 2011年6月∼
スマートフォン ラインナップ拡充
■ 2011年9月
MNP純増転換
■ 2011年10月
iPhone 4S提供開始
■ 2011年12月
2012年3月期第3四半期の解約率が 初めて業界最低水準へ
■ 2012年3月
auスマートバリュー/ auスマートパス提供開始
■ 2012年9月
auスマートパスの iPhone対応
■ 2013年2月
月次ベースでの au通信ARPU 底打ち
■ 2013年3月
MNP年間100万 純増突破
(千契約)
成長戦略
モバイル・固定のモメンタム向上を示す主要KPI
マネジメントメッセージ
2013年3月末までの状況を見ますと、モバイルでは、au解 約率は6四半期連続で業界最低水準をキープ、MNP純増数 は18カ月連続で第1位を獲得しているほか、スマートフォンへ のシフトが進んだことにより通期のデータARPUは前期比で 13.5%上昇するなど、モメンタムの向上を実績で証明する
ことができました。固定通信においても、auスマートバリュー と提供エリア拡大により、2013年3月期のFTTHの純増数は 前期比1.7倍に拡大、契約累計シェアも2012年3月末の 9.5%から1.9ポイント上昇し、11.4%となりました。
au 解約率 MNP純増数
6
四半期連続で業界最低水準をキープ18
カ月連続で業界第1
位を獲得前期比で
1.7
倍に拡大 FTTH純増数1Q 2Q
2012年3月期 2013年3月期 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 0.62 0.64
0.52 0.70
0.61 0.65 0.58 0.67
0 0.2 0.4 0.6 0.8 1.0
1Q 2Q
2012年3月期 2013年3月期 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q –67 –15
164 191 157
165 420
268
–200 0 200 400 600
1Q 2Q
2012年3月期 2013年3月期 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 0
50 100 150 200
78 78
93 103
173 167 150
111
2,850 601
2,510 352
通期ベース 通期ベース
(前期比1.7倍)
(前期比+13.5%)
(%) (千契約)
前期比で
13.5%
上昇データARPU
1Q 2Q
2012年3月期 2013年3月期 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q 2,410 2,480 2,530 2,610
2,720 2,790 2,880 3,000
0 1,000 2,000 3,000 4,000
(円) (千契約)
* MNP純増数は連結ベース。au解約率、データARPU、FTTH純増数はパーソナルベース
2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期
6月末 9月末 12月末 3月末 6月末 9月末 12月末 3月末 3月末(予)
0 4,000 8,000 12,000 16,000 20,000
0 10 20 30 40 50
5.4
9.2
13.9
19.4
23.6
27.6
32.3
36.9
47.7
auスマートフォン浸透率(パーソナル)
モバイルデータトラフィックの急拡大
KDDI には、
他社にはないリソースがあります。
ここで、我々が「auスマートバリュー」を打ち出すに至った 経緯についてお話しします。
現在、モバイル通信市場においては、スマートフォンの普及 が急速に進んでいます。KDDIにおいては、モバイルデータト ラフィックが、2012年3月期から2016年3月期の4年間で約 12倍に拡大すると予測しています。また直近では、スマート フォン1台あたりのデータトラフィックが、フィーチャーフォン の約30倍となっています。このような状況下では、周波数利 用効率が高い「au 4G LTE」やトラフィック制御技術などを駆 使しても、モバイルネットワークだけではトラフィックを収容し きれません。残された答えは、固定ネットワークへのデータ オフロードです。
「au 4G LTE」 P.38 「データオフロード」 P.22
KDDIには、この「スマートフォンの限界」という課題を解決 するための、他社にはないリソースがあります。固定通信で はFTTHやCATV、移動通信では3GやWiMAXに加え、2012 年9月に「au 4G LTE」の提供も開始しました。Wi-Fiと組み合 わせ、これら複数のネットワークをあたかもひとつのネット ワークのようにシームレスにつなぐことで、モバイルで急増す るデータトラフィックを固定のネットワークも含めて効率的に 収容します。これは総合通信事業者であるKDDIにしか成し得 ないソリューションだと自負しています。
いつでもどこでもお好きなデバイスでさまざまなコンテン ツをお楽しみいただきつつ、ネットワーク品質は決して落とさ ない。この強い思いが、「auスマートバリュー」の実現につな がったのです。
THEME 03
(千台) (%)
成長戦略
マネジメントメッセージ
au
スマートバリューの効果「 au スマートバリュー = 当社ならでは
の戦略サービス」です。
次に、「auスマートバリュー」がKDDIの業績にどのような効 果をもたらすのかについてご説明します。
サービス開始から1年、お客さまがauスマートバリューに 契約する過程が見えてきました。第一に、家族の一人がス マートフォンを契機にauスマートバリューに加入すると、その 人が“家族内のセールスパーソン”となって他のメンバーに auスマートバリューを紹介し、次々と連鎖的にauスマート フォンへの買い換えが進む、という流れが見えてきました。私 たちはこれを「世帯内連鎖獲得」と呼んでいますが、就任1年 目にスマートフォンの品揃えを強化し、“業界随一のスマート フォンラインナップ ”を揃えたことが、他社からauへの乗り換 えの障壁を下げ、「世帯内連鎖獲得」の促進につながったと見 ています。実際に、1世帯当たりのau契約数は、2012年3月 末時点の1.5人から、2013年3月末には1.8人にまで拡大し ています。
また、複数のサービスをセットで利用することで、単独の サービス利用者に比べて解約率が大幅に低下するという効 果も期待できます。解約率が低減されれば、多額の獲得コス トをかけずに顧客基盤の拡大が可能となりますから、大変重
視しています。
また、コスト面の効果として、モバイルデータトラフィックの データオフロードにより、モバイルネットワークへの投資や ネットワークコストの軽減が期待できます。2012年3月末に 約20%だったオフロード率は、2013年3月末には52%にま で上昇しており、モバイルデータトラフィックが急増する中、 効率的な設備投資に貢献しています。
一見、auスマートバリューの割引額1,480円/月は大幅な 値下げに見えるかもしれません。しかしながら、世帯単位での ARPU(世帯ARPU)という側面から見た場合、契約条件とな るauスマートフォン1台+電話とブロードバンドサービスを合 わせた固定サービスで合計1万円を超える世帯ARPUが発生 することを考えれば、割引率は1割程度にとどまるとの見方も できます。また割引負担額がモバイルと固定の両方で按分 可能であることから、単独サービスでの実現が困難な割引水 準を設定することができました。このように、auスマートバ リューは単なる割引サービスではなく、世帯内連鎖獲得など による顧客基盤の拡大・解約率の低減・モバイルデータオフ ロードの促進などの効果も享受できる訳ですから、私は「au スマートバリュー=当社ならではの戦略サービス」だと捉えて います。
THEME 04
新たなステージにおける目標“持続的な利益成長と株主還元の強化”
中期的目標
新たなステージで毎期 2 桁の
利益成長を目指します。
2014年3月期は「新たなステージの初年度」と位置付けて います。au通信ARPUが月次ベースで既に底打ちし、auス マートバリュー効果等による安定的な契約者増からモバイル 通信料収入が5期ぶりに増収転換することに加え、安定的な FTTHの契約者増による増収貢献、J:COMの連結化影響によ り、連結営業利益は前期比23%増加する見込みです。
さらに、2016年3月期までの3年間において、「連結営業利 益の毎期2桁成長」を目標に掲げました。好調に推移している 3M戦略の推進とさらなる深化を続けることで、通信料収入
(モバイル+固定)と付加価値売上を拡大していくとともに、グ ローバル戦略を推進することで達成してまいります。 マルチデバイス・マルチユースの展開
ニーズの一歩先を見つめながら
付加価値売上の最大化を目指します。
今後は、3M戦略の集大成として、マルチデバイス・マルチ ユースの実現に注力していきます。
オープンインターネット時代のお客さまとの接点と位置付 ける「auスマートパス」を基盤とし、うたパス・ビデオパス・ブッ クパスなどのアップセルサービスの提供、さらなる深化を図る とともに、O2O*などの送客ビジネスを提供することにより、 付加価値売上の最大化を図っていきます。お客さまのウォン ツに答えるきめ細やかなコンテンツ・アプリを、HTML5を駆使 しつつ、マルチOS・マルチデバイスで提供していきます。 2012年11月、auスマートフォン・タブレットと連動した CATVのSTBである「Smart TV Box」の提供を開始しました。
これにより、スマートフォン・タブレット・PCに加え、テレビと いう第4のツールを手に入れたことは大きな進歩です。幅広 い世代の多くのお客さまにKDDIの世界観を伝えるツールと して、最大限に活用していきます。
“お客さまが次に求めるものがある”を目指すことで、お客 さまを料金的なメリットでつなぎとめる“ダムパイプ ”では なく、新しい世界観を提供する“スマートパイプ ”の役割を 担ってまいります。
* Online to Offline:インターネット上の情報によってネット利用者の実世界(地域や店 舗など)での購買活動などを促す施策のこと
THEME 05
THEME 06
毎期成長率
2 桁
利益成長に伴う大幅成長 年平均4.23%
成長(2011年3月期からこれまで2013年3月期まで) (2014年3月期から今後2016年3月期まで)
連結営業利益
年平均
4.24%
成長 EPS(1株当たり当期純利益) その1
持続的な利益成長
成長戦略
新たなステージにおける目標“持続的な利益成長と株主還元の強化” マネジメントメッセージ
企業人としての行動の原点、「
KDDI
フィロソフィ」の大切さ全社員が心をひとつにしてこそ、
責務を果たすことができます。
KDDIには、社員が持つべき共通の考え方、行動規範を示し た「KDDIフィロソフィ」があります。一人ひとりの個性を尊重 するのは当然のことですが、志や倫理観の異なる社員ばかり では、企業経営はうまくいきません。
当社は社会インフラを担う企業として、いかなる状況下で も、安定した通信サービスを提供する社会的使命を背負って います。また、国民共有の貴重な財産である電波をお借りす
ることで成り立っている事業であり、全社員が心と行動をひと つにしなければその責務は到底果たしうるものではありま せん。
人々の幸せと社会の発展を願い、人として企業人として世 の中にどんな価値を提供できるかを日々考え、共有し、信頼を 強固にするためのフレームワーク、これが「KDDIフィロソフィ」 であり、そこにCSR経営の原点があると私は考えています。 キャッシュ・フロー・アロケーションと株主還元
2013年3月期の設備投資額は、普及が進むLTEのネット ワーク拡充を積極的に進めたことなどから、前期比10.8%増 の4,670億円となりました。2014年3月期については、LTE やFTTHをはじめとしたオーガニックな設備投資4,600億円に 加え、今期連結化したJ:COM分の設備投資600億円、将来の 新規事業領域における成長に対する戦略的投資300億円な どにより、連結設備投資額は5,500億円を予定しています*1。 2013年3月期のフリー・キャッシュ・フローは、スマート フォン販売に伴う割賦債権の増加の影響等により前期比 1,905億円減少し509億円となりましたが、2014年3月期は 業績の好調により2,700億円を見込んでおり、今後も中期的 な利益成長に伴い、安定的にキャッシュを創出してまいります。 また、株主還元については、引き続き安定配当を中心に考 えています。2013年3月期の年間配当金*2は、前期比10円
の増配となる90円、連結配当性向は28.5%となり、11期連 続の増配となりました。また2014年3月期の年間配当金計画 は120円、連結配当性向は31.1%となり、前期比33%増と なる大幅増配を予定しています。
配当方針としては、今後も成長に必要な投資と安定した事 業運営を考慮しつつ、まずは配当性向を30%超に引き上げ ていくとともに、利益成長に伴うEPS成長との相乗効果によ り、持続的な増配を目指します。
また、キャッシュ・フローに余裕があり、かつ当面大きなM&A を予定していない状況においては、株価水準を考慮した上で、 自己株式の取得も選択肢のひとつとして検討してまいります。
*1 2013年の一連の通信障害に対し、フェールセーフの考え方をベースにした対策費と して、2014年3月期は追加で300億円の設備投資実施を決定しております。
*2 2012年10月1日を効力発生日として、普通株式1株につき、100株の割合に、さらに 2013年4月1日に、普通株式1株につき2株の割合で分割を実施。配当金については、 上記2回の株式分割を考慮した額を記載
2013年3月期の
THEME 07
THEME 08
(2011年3月期からこれまで2013年3月期まで) (2014年3月期から今後2016年3月期まで)
配当性向
30 % 超
経営の選択肢として検討25%
∼30%
に 着実に引き上げる 配当性向自己株式取得 その2
株主還元の強化
さいごに
我々ならではのイノベーションを
もたらし続けます。
KDDIの強みはモバイルと固定を併せ持ち、融合できるこ とです。当社の成長戦略である「3M戦略」を加速させ、皆さ まの生活・暮らしに関わるさまざまな領域や、これらモバイル
と固定を融合させ、多くの産業にイノベーションをもたらしな がら、社会課題の解決と持続的な発展に貢献してまいる所存 です。
お客さまの声に耳を傾け、共に創り出す
安定した通信サービスを提供し、社会への責任を果たすこ とは当社の事業の基本です。皆さまから選ばれる企業になる ためには、そのさらに上を目指さなければなりません。それこ そが「お客さまの期待を超える感動をお届けすること」であ り、企業理念に掲げるコミットメントです。お客さまが何を必 要としているのか謙虚に耳を傾け、何にお困りなのかを先読 みできなければ、期待を超えられないばかりか、失望させてし まいます。
KDDIは今後、事業を支えてくださっているサービスご利用 者さま、パートナー企業さま、株主の皆さま、地域社会や行政 機関など多岐にわたるステークホルダーの皆さまと積極的な 対話を行うことで、あらゆる分野における課題に着手します。 その上で事業を通じた貢献を考え、さらに新しい社会的価値 を生み出す「共創」に向かって動き始めます。
安定した通信サ
THEME 09
THEME 10
成長戦略
収益最大化
高品質な通信サービスの提供と設備投資額抑制の両立
特集 「 3M 戦略の進捗と今後の展望」
モバイルと固定通信を一体提供できるKDDIの独自性と事業環境の変化を背景に、2013年3月期に本格展 開した「3M戦略」。auスマートバリューによりモバイルおよび固定ブロードバンドの顧客基盤は順調に拡大 を続け、auスマートパス会員数はauサービス史上最速で600万会員を突破*するなど、成長戦略として 収益最大化に大きく貢献しています。
また、爆発的に増加するモバイルデータトラフィックをKDDIのマルチネットワークに効率的に収容する データオフロードの取り組みも、計画通りに進んでいます。これにより、高品質な通信サービスの提供と設 備投資額の抑制を中長期的に両立していきます。
ここでは、「auスマートバリュー」「auスマートパス」、そして「マルチネットワーク」に焦点を当て、導入の 背景とこれまでの実績、さらに今後の展望について、各担当役員がご説明します。
* 2013年4月現在
3M 戦略
通信料収入の最大化 P.17
爆発的に増加するデータトラフィックを効率的に収容する「データオフロード」 P.22 付加価値売上の最大化 P.20
通信料収入の最大化
モバイルと固定通信を一体提供できるKDDI独自の強みを活かした「auスマートバリュー」の推進により、
「新規獲得」と「解約率低減」を両立し、顧客基盤拡大を図ります。
「 au スマートバリュー」の特長
auスマートバリューは、モバイルと固定通信の両方を一体 提供できるKDDI独自の強みを具現化したサービスであり、ス マートフォンを契機にKDDIもしくは固定系提携事業者さまの 固定ブロードバンドサービスをご契約頂く戦略です。モバイ ルと固定のセット利用でスマートフォン料金が月額1,480円
(税込)割り引かれ、しかも世帯内すべてのauスマートフォン が対象となる点がお客さまへの強い訴求力となっています。
au スマートバリューを支える 2 つの要素
auスマートバリューの好調は、2つの要因が支えています。 一つ目は、全国の固定系事業者さまとの「提携」です。au スマートバリューの提供会社は、KDDIグループだけでなく、 KDDIを含むFTTH6社、CATV107社190局(2013年7月末) にまで拡大し、世帯カバー率も約80%にまで上昇していま す。固定系事業者さまとの提携が広がることで、従来はアプ ローチできなかった顧客基盤からの新規契約獲得をはじめ、 共通チャネルでの合同販売イベント実施等による販売効率 化、さらにはセット割引に伴う解約率低減などの相乗効果が 期待できます。
auスマートバリュー
取締役執行役員専務
石川 雄三
また、提携事業者さまにとっては、主力である多チャンネル サービスの市場が伸び悩む中、auスマートバリューの固定側 条件である「インターネット+電話」契約の増加につながる メリットもあります。双方にとってインセンティブの高い提携 スキームとなっていることがauスマートバリューの好調を支 えている要因の一つであり、2013年3月末現在、auスマート バリュー契約世帯の約4割がKDDI連結対象外の固定系提携 事業者さまとのセット契約となっています。
二つ目は、auスマートバリュー契約世帯内での「連鎖」です。 auスマートバリューでは、iPhoneでもAndroidTM端末からで も自由に端末を選べることに加え、料金メリットも大きいた め、auスマートバリューにご契約頂いた世帯であれば、家族 全員がスマートフォン購入のタイミングで連鎖的にauを選ぶ 可能性が高まります。実際に、お客さまがスマートフォンへの 第1部
料金障壁をクリア、 スマートフォン購入へ
端末がえらべる&料金メリット
連 鎖
スマートフォンが欲しい。 auスマートバリューなら
おトクになるらしい。
固定回線
4人なら 1,480円/月* × 4
OFF 了承
家族
4
人 最大2
年間で142,080
円もおトクに固定回線の契約検討 スマートフォンの購入意向
auスマートバリュー契約世帯内での「連鎖」
(KDDI or 固定回線提携先) 娘
娘
父 相談
父
母
息子
成長戦略
1Q 25%
2Q 28%
3Q 33%
4Q 39%
1Q 2Q 3Q 4Q
1Q 33%
2Q 38%
3Q 48%
4Q 55%
1Q 2Q 3Q 4Q 1Q 2Q 3Q 4Q
移行を検討する際の障壁となっていた利用料金の増加懸念 をクリアしたことで、スマートフォンユーザーの世帯内連鎖は 順調に進展しています。2013年3月期の第4四半期において は、auスマートバリュー契約におけるau新規契約数の3割弱 がこの世帯内連鎖による獲得であり、auスマートバリュー契 約世帯数の増加に伴い、連鎖の比率はますます高まっていく ことが期待できます。
この連鎖の進展により、サービス開始時に1.5であった1世 帯当たりau契約数は、2013年3月末現在で1.8まで上昇し、 2014年3月末には2.0まで上昇する見込みです。
主力サービスの新規契約獲得と
解約率低減に貢献
auスマートフォンおよびauひかり新規契約者のうち、auス マートバリューのご契約を伴う割合は四半期ごとに拡大して おり、第4四半期においては、モバイルサイド39%、固定通信 サイド55%まで拡大しました。今や、主力サービスの新規契 約獲得において欠かせないサービスにまで成長しています。
スマートフォンユーザーの裾野拡大にも貢献
auスマートバリューは、割引原資(▲1,480円)をモバイル と固定通信で按分することにより成立しているサービスです が、モバイルから選ぶユーザー特性を踏まえて、お客さまに 対してはスマートフォン利用料金の割引という訴求方法で マーケティングを行っています。この結果として、利用料金の 増加が障壁となりスマートフォンの利用を躊躇されていた フィーチャーフォンユーザーのスマートフォンシフトを後押し することにつながり、スマートフォンユーザーの裾野拡大にも 大きく貢献しています。
auスマートバリュー
特集「3M戦略の進捗と今後の展望」
また、解約率の低減においても、既に一定の効果が現れて います。auスマートバリュー適用ユーザーの解約率は、モバ イル・固定ブロードバンド(auひかり)とも非適用ユーザーの 3分の1程度で低位安定しており、解約抑制の面からも顧客 基盤拡大に大きく貢献しています。
モバイル
au解約率推移
FTTH
auひかり解約率推移
スマートフォン
新規契約の39%
auスマートバリュー
未加入ユーザー au未加入ユーザースマートバリュー
auスマートバリュー
加入ユーザー au加入ユーザースマートバリュー
全体平均
auスマート バリュー契約者平均 auひかり
新規契約の55%
(2013年3月期)
対 象:スマートフォンの 新 規 契 約
(パーソナル)におけるauスマートバ リュー契約の割合
(2013年3月期)
フィーチャーフォンからスマートフォンに機種変更をしたお客さまのデータARPU 上昇幅
(2013年3月期)
パーソナル(モジュール除く)におけ る解約率
(2013年3月期)
(2013年3月期)
対象:auひかり新規契約(パーソナ ル)におけるauスマートバリュー契約 の割合
新規契約への貢献が四半期ごとに拡大
auスマートバリューによるデータARPUの押し上げ効果 未加入ユーザーに比べ格段に低い解約率
第1部
約2,200円 約1,900円
約1,800円 約1,700円
auスマートバリュー契約 2013年3月期末
212
万世帯ブロードバンド
(FTTH/CATV)
2013年3月期
1Q 2Q 3Q 4Q
4Q 17%
21% 19%
30% 35%
386
212
690
345
2013年3月期
1Q 2Q 3Q 4Q
4Q 31%
36%
43% 42% 55%
スマートバリュー
au スマートバリューの実績
サービス開始から約1年、お客さまへの認知も進み、2013 年3月末現在でモバイル386万、固定ブロードバンド212万 と、いずれも当初想定を大幅に上回る契約実績で推移してお り、通信ビジネスの顧客基盤拡大に大きく貢献しています。 2014年3月期は、提携と連鎖のさらなる進展により、auス マートバリュー契約におけるau契約数は、前期比304万契約 増となる690万契約、世帯数は、前期比133万契約増となる 345万世帯を見込んでいます。
auスマートバリューの連鎖による顧客基盤拡大
au スマートバリューの持続性
現在、KDDIでは、au約1,600万世帯、固定ブロードバンド 約1,200万世帯(提携先含む)の顧客基盤を有していますが、 auスマートバリュー契約世帯数としては、まだそのうちの 212万世帯であり、相互販売を通じた顧客基盤拡大は、まだ 十分な持続可能性を秘めています。
au スマートバリューの採算性
auスマートバリューは、モバイルサイドに17%の新規契 約、固定通信サイドに12%の新規契約があれば、既存ユー ザーからの申込みによる減収影響をカバーする増収効果を 得られます。サービス開始以降、モバイル・固定通信ともに損 益分岐点を上回る水準で堅調に推移しており、auスマートバ リューは大きな増収効果を生み出しています。
今後は、既存ユーザーからの申込みが一巡することから、 持続的な増収効果を得られることが期待できます。
モバイル FTTH
モバイルBEP 17%
auひかり BEP 12% auスマートバリューにおける新規契約比率
auスマートバリューの契約推移(単位:万)
690
万 契約 2014年3月期予想345
万 世帯 au契約数世帯数*
約1,600万世帯* 約1,200万世帯* 拡大 拡大
* 2012年9月末現在の世帯数をベースに算出
成長戦略
*1 Online to Offline:インターネット上の情報 によってネット利用者の実世界(地域や店舗 など)での購買活動などを促す施策のこと
アプリ取り放題 ストレージ クーポン&ポイント セキュリティ
付加価値売上の最大化
「auスマートパス」を起点としたビジネスの推進により、付加価値売上の拡大を図ります。
「 au スマートパス」導入の背景と狙い
auスマートパスは、500以上の人気アプリ取り放題をはじめ、 クーポン、オンラインストレージおよびセキュリティサービスな ど、オープンなインターネットの世界を安心・安全に楽しんで 頂くための機能を月額390円(税込)で提供するサービスです。 スマートフォンの登場に伴い、オープンなインターネットの 世界でコンテンツを自由に利用できる時代が到来しました が、同時に新たな課題も生まれました。フィーチャーフォン時 代は、お客さまはKDDIが提供するポータルサイトを通じて安 心・安全にコンテンツを利用することができていましたが、ス マートフォンになると、お客さまの自由度や選択肢が増えた 一方で、アプリの価格やセキュリティ面に対する不安などか ら、興味はあってもスマートフォンへの移行を躊躇される方、 また、移行したもののあまり利用されないままの方が増えて しまいました。
代表取締役執行役員専務
髙橋 誠
一方、事業者目線においても、オープンインターネットの世 界で自らユーザー会員を持つOTT(Over the top)プレイヤー の躍進により、通信キャリアのサービスを利用することがお客 さまにとって唯一の選択肢ではなくなったことから、これまで 構築していたお客さまとの接点が弱まってしまいました。 このような背景を踏まえ、これから通信キャリアが上位レイ ヤでの成長を続けていくために提供していくべきサービス は、お客さまがスマートフォンなどを使う際に安心感や利便 性を得られるパスポートのようなものと考え、auスマートパス を作りました。これにより、幅広い層のお客さまがスマート フォンに移行して頂くことを促すとともに、付加価値売上の拡 大に向けたあらゆるビジネスの起点となり得るお客さま接点 の再構築および拡大を狙っています。
au スマートパスのビジネスモデル
お客さまにとってメリットの高いサービスとなっています が、コンテンツプロバイダさまとKDDIとでレベニューをシェ アできる仕組みも当然整えています。
スマートフォン時代のオープンなインターネットの世界で は、お客さまの選択肢が限りなく存在するため、コンテンツプ ロバイダさまが有料ユーザーを増やしていくことは容易では ありません。
auスマートパス
auスマートパス
人気アプリ500以上 大容量(50GB) O2O*1連携 より安全・安心に
第2部
セキュア検証 セキュリティソフトの提供
お客さまセンター
特集「3M戦略の進捗と今後の展望」
au ID
月額
¥ 390
(税込)auショップ/ O2O パートナー協業
and ビジネス more
拡大
顧客接点拡大
送客ビジネス アップセル
13 250 260
14 12
290
(予)
(3月31日に終了した各決算期)
スマートパス
そこで、約3,800万ユーザーを抱えるKDDIがauスマート パスというお客さま接点を用意し、コンテンツプロバイダさま にはアプリの開発のみに専念して頂く環境を提供することに より、魅力的なアプリの開発を促し、auスマートパスの魅力度 向上につながっていくWin-Winの関係を構築できています。 なお、最終的にはアプリの人気度に応じたレベニューシェ アになりますが、我々は、このビジネスモデルを軌道に乗せる ために、レベニューシェアを収入に先行して行うモデルとしま した。このため、サービス開始初年度である2013年3月期の サービス収支は赤字となりましたが、2013年5月のiPhone 版auスマートパスの有料化に伴い損益分岐点を突破し、現在 は黒字化しています。
サービス開始後 1 年の成果
2012年3月1日より提供を開始したauスマートパスは、 オープンなインターネットの世界を安心・安全に楽しんで頂け るサービスとして年齢・性別を問わず多くのお客さまにご好 評頂き、サービス開始から14カ月(2013年4月)で600万会 員を突破しました。最近では、auスマートフォンご購入のお客 さまのうち約9割*2がauスマートパスに契約されている状況 であり、auスマートフォンの定番サービスとして着実に浸透 が進んでいます。
また、リテンションの面においても、4月22日から提供開始 したiOSユーザー向け端末修理代金サポートサービスをはじ め、390円以上の価値を常に提供するための継続的なサービ ス進化への取り組みが奏功し、2013年5月のiPhone版auス マートパスの有料化後もお客さま基盤を維持しながら順調に 推移しています。
*2 2013年3月実績(既存auスマートパスユーザーの機種変更を除く)
今後の展望
付加価値売上の拡大
auスマートパスについては、お客さまとの接点を拡大する ために、引き続き会員数拡大を最優先事項として掲げ、2014 年3月末での累計1,000万会員達成を目指します。
このプラットフォームをベースに、うたパス・ビデオパス・ ブックパスのような定額制・使い放題型の上位サービスへの アップセルを推進するとともに、オープンインターネット時代
O2O(Online to Offline)ビジネスを推進し、リアルな生活と のリレーションも強化することにより、非通信領域である付加 価値売上の拡大も進めていきます。
auスマートパスを起点としたビジネスの拡大
このような取り組みを通じて、2014年3月期は、お客さま一人 当たりの付加価値売上である付加価値ARPUを前期比16% 増となる290円まで拡大させる計画です。
マルチデバイス対応
我々は、デバイスやネットワークに依存することなくKDDI のコンテンツサービスを利用できる「auID」をベースとしたビ ジネスモデルを展開しています。2013年4月のJ:COM連結 化と今後予定しているJ:COM/JCN統合が完了すれば、ス マートフォン、タブレット、パソコン、テレビのデバイス間連携 をより強化することが可能となります。また、マルチデバイス の実現に適したコンテンツ開発技術であるHTML5にも非常 に注目しています。
現在は、まだスマートフォン中心で動いていますが、近い将 来、ユーザーのシーンごとに最も適したデバイスを使える環 付加価値ARPU (円)
成長戦略
うたパス ビデオパス ブックパス ・・・
0 3 6 9 12 15 18 21(時)
0 3 6 9 12 15 18 21(時)
爆発的に増加するデータトラフィックを
効率的に収容する「データオフロード」
KDDIの競争力の源泉「マルチネットワーク」を利用した効率的なデータオフロードの推進により、 高品質な通信サービスの提供と設備投資額の抑制を両立していきます。
KDDI の競争力の源泉
「マルチネットワーク」
KDDIは、モバイルと固定ブロードバンド回線を併せてサー ビス提供できる国内唯一の通信事業者であり、「3M戦略」の 根幹を成すマルチネットワークは、KDDIの競争力の源泉です。
取締役執行役員専務
嶋谷 吉治
そこで、当社では、当社が持つマルチネットワークを活用す るデータオフロード施策を推進しています。
日本では、住宅エリアにおいては深夜時間帯に、ビジネスエ リアにおいては昼休みおよび夕方の時間帯に、それぞれトラ フィック量がピークとなる傾向にあります。
この特性を踏まえ、一日の中でも特にトラフィック量がピー クとなる深夜時間帯の主な利用場所である住宅エリアにお いては、自宅の固定ブロードバンド回線に接続するWi-Fiを経 由してモバイルデータを逃がす取り組みを進めています。そ のための推進策として、auスマートフォンをご利用のお客さ まには、ボタン一押しで簡単に設定可能なauの宅内Wi-Fi ルーター「HOME SPOT CUBE」を無償レンタルしています。 これは、auスマートバリュー対象の固定通信サービスだけで なく主要なブロードバンド回線すべてに対応しているため、こ の取り組みを着実に実施すれば、住宅エリアのトラフィック対 策はほぼ問題ないと考えています。
一方、屋外については、トラフィック集中エリアでは公衆 Wi-Fiにモバイルデータを逃がし、あまりトラフィックが集中し ないエリアでは3GもしくはLTEを快適にご利用頂くことを基 マルチネットワーク
急増するトラフィックを効率的に収容
データオフロードの推進
スマートフォンの普及に伴いモバイルデータ通信量は爆発 的に増加しており、当社の予測では、2012年3月期から2016 年3月期までの4年間でモバイルデータ通信量は約12倍に増 加する見通しです。
当社は、2013年3月期に周波数の利用効率が高いLTEを導 入し、新たに700MHz帯の周波数割り当てを受けましたが、現 在のトレンドがこのまま続けば、周波数に限りがあるモバイル インフラだけでトラフィックを吸収していくことは困難です。 マルチネットワーク
WiMAX ビット単価
スマートフォン コスト高
コスト安 タブレット 電子書籍 PC T V・STB 宅内には
FTTH・CATV 高速ニーズ対応
エリア基盤
マルチデバイス 3G/LTE IPバックボーン
KDDIパワードイーサネット/FTTH CATV
3G LTE WiMAX
Wi-Fi CATV FTTH
高トラフィック対応 屋外Wi-Fi
宅内Wi-Fi Wi-Fiを経由したデータオフロード
住宅エリア
ビジネスエリア
2013年3月末現在
203
万台2013年3月末現在
23
万スポット第3部
特集「3M戦略の進捗と今後の展望」
HOME SPOT CUBE 時間帯別モバイルデータ通信量
時間帯別モバイルデータ通信量
ピーク ピーク
駅・車両 商業施設 カフェ 空港
マルチネットワーク
本的な考え方としています。公衆Wi-Fiは、単に数多く設置す れば良い訳ではなく、トラフィックが集中する駅、商業施設、カ フェのようなお客さまの生活動線上に効率的に設置していく ことが重要であり、きめ細かいエリア管理に基づいて設置を 進めています。
このような取り組みの推進により、2013年3月末時点で、 スマートフォンのデータトラフィック総量の52%をモバイル 以外のインフラに逃がすことができています。
LTEの拡張に伴い、データトラフィックはさらに増加してい くため、今期以降も50%のデータオフロード率を維持してい く計画です。
つ小型のため、ビル壁面や電柱等への設置が可能であり、人 の流れや滞留場所を現地で確認した上で、ピンポイントにエ リア品質を改善することができます。
他社に先行しているピコセル基地局を、トラフィック集中エ リアにおける品質向上を主な目的として積極的に活用し、より 高度な干渉制御技術やヘテロジニアスネットワークといった 新技術も取り入れることにより、KDDIのネットワーク品質を さらに高めていきます。
中長期的な設備投資水準のイメージ
データオフロードへの積極的な取り組みにより、KDDIは 世界のモバイル通信事業者の中でもトップクラスのオフロー ド率を実現しています。
今後もさらなるトラフィックの増加が予想されますが、トラ フィック量がピークとなる時間帯の水準を引き下げることに より、高品質な通信サービスの提供と設備投資額の抑制を 両立していきます。
これにより、モバイルの設備投資額を中長期的に3,500億 円規模のまま維持していける見込みであり、これは、データ オフロードを行わない場合と比較して、約1∼2割抑制され た設備投資額となっています。
なお、2014年3月期は、2013年に入り発生したLTEに関 する通信障害への対策とスマートフォン/4G時代に見合っ た機能安全(フェールセーフ)の確立を目的として、総額300 億円の追加投資を実施する計画です。
WiMAX の進化
効率的なデータオフロードを可能にするマルチネットワー クには、WiMAXも構成要素として含まれています。 2012年10月30日、WiMAXフォーラムからTD-LTE互換 モードを追加した新バージョン「WiMAX Release2.1」が発表 されました。これを踏まえ、WiMAXサービスを提供している UQコミュニケーションズでは、総務省に申請している(2013年 6月末現在)2.6GHz帯の周波数帯域の割り当てを受けた後、 この 規 格 に 準 拠した 高 度 化BWA(Broadband Wireless Access)サービスを速やかに提供する予定となっており、KDDI グループのマルチネットワークの拡大を推進していきます。
ピコセルを世界初導入
KDDIでは、半径50∼100m単位でのきめ細かいエリア構築 が可能なピコセル基地局を世界で初めて導入しました。ピコセ ル基地局は、10㎏程度の重量しかない安価な小型設備である ため、マクロセルのエリア間の隙間やトラフィック集中エリアを 対象としたトラフィック対策に非常に適しており、エリアカバー とサービス品質向上の両面において効果を発揮します。 具体的には、大都市圏におけるマクロセル基地局の設置が ビル屋上に限定される一方、ピコセル基地局は非常に軽量か マクロセルに加え、ピコセルを用いてエリア構築
連結設備投資額(億円)
3,382 3,500 4,321
3,768 3,387
3,042 1,280
12.8
1,100 600 5,500
300 13.3
1,406 16.4
1,387 15.0
1,031 12.9
1,156 11.8
4,670 5,751
5,180
4,437 4,216
売上高設備投資比率(%)
成長戦略
J:COM
戦略的投資 固定
モバイル
安心ケータイ サポートセンター
コールセンター 配送センター
コ ラ ム 3M 戦略を支える顧客接点の強化
3M戦略の導入を契機としたビジネスモデル変革に併せて、 販売店の店頭対応力強化にも取り組んでいます。
報が盛り込まれており、スタッフの持つスキルに過度に依存 することなく、一定レベル以上の接客・提案が可能であり、加 えて、カウンターの専用端末とも連動しているため、カウン ターでは手続きのみを行うというように業務を切り分けるこ とが可能となります。このシステムは、集客率の高い店舗を 中心に全国展開を進めており、上手く活用できている店舗に おいては、接客時間が短縮化し、販売成績も向上しています。
新端末保守スキームの導入
もう一つの店頭業務改革への取り組みとして、端末が故 障・破損・紛失した際の交換受付業務にかかる負担の軽減化 が挙げられます。
以前より、当該業務はauショップの平均接客時間を長時間 化させていた主な要因の一つであり、販売スタッフにとって大 きな負担となっていました。そこで、専用サポートセンターへ のお電話1本で、代替端末を2日以内にご自宅などへお届けす る新たな端末保守スキームを導入しました。これにより、修理 関連目的でのお客さまのご来店件数が減少したことで、販売 スタッフが販売に集中できる環境の構築にもつながりました。 3M戦略が好調に推移している背景には、サービス自体の 競争力もさることながら、こうした店頭業務の抜本的な改革 も大きな原動力となっています。
店頭対応力の強化
スタッフ教育の拡充
3M戦略の本格展開と併せて、モバイル・FTTH・CATVの 縦割り構造となっていた従来の販売形態の改革にも着手しま した。特に、最重要のお客さま接点であるauショップなどに 対して、3M戦略を前面に打ち出す販売を行って頂くための 改革施策を相次いで導入しました。
まず、auショップスタッフにおいて、評価制度の見直しを行 いました。新たな制度では、3M戦略に沿った「モバイル・固定・ 商材のセールステクニック」を新たな評価項目として追加し、 総合的な評価内容に刷新しました。これにより、モバイルと固定 の両方を販売することのインセンティブ創出につなげました。 また、モバイルだけでなくFTTHやマルチデバイスのプロ フェッショナルも同時並行で養成していく研修カリキュラムを 設定し、市場の変化やKDDIの施策変更にリアルタイムに対応 できる体制構築も行うなど、スタッフ教育にも注力しています。
店頭対応の効率化
3M戦略の深化とともに、モバイルと固定それぞれのネット ワークや商材も多様化したため、auショップにおける販売ス タッフの負荷は大きく増大しました。例えば、スマートフォン 販売では、商品説明、必要書類の記入、操作説明、設定などを すべてカウンターで行いますが、3Mを前面に押し出すために は、併せて固定、上位レイヤサービス、アクセサリーなどの販 売までまとめて行う必要があります。そうなると、接客が長時 間化し、それが回転率の低下を招き、順番待ちのお客さまの 待ち時間も長時間化するという悪循環を生み出すリスクが懸 念されました。
KDDIでは、このような状況を踏まえ、主に2つの施策によ る抜本的な店頭業務改革に着手しました。
タブレット活用による接客時間の短縮化
接客効率を向上させるための目玉策として、タブレットを 活用した接客システムを導入しました。待合スペースで順番 待ちされているお客さまを対象に、タブレットを持ったフロア アドバイザーが商品・サービスの紹介や料金コンサルティン グを行い、その場で意思決定までを済ませるようにします。 このタブレットには多様な商材や複雑な説明を補完できる情
顧客満足度の向上と店頭業務負荷軽減の両立
従来:ショップにてすべて対応(故障状況の問診、修理見積連絡、修理完了連絡)
現在:安心ケータイサポートセンターに対応を集約し、店頭の負荷を軽減 メーカー修理拠点
メーカー修理拠点 修理まで1週間
携帯電話機交換用
故障品は交換用携帯電話機の 到着後14日以内に返却
電話1本で 2日以内にお届け
au保守取扱店
負荷大店頭
負荷軽減店頭